✨どしゃ降りだっていいじゃないか。最後に晴れれば✨

小説家・小宅高洋(新ペンネーム)のひとりライフ。

■ 12/1(土)  やっぱり酒乱やってた……。

もう何十年も経験して、恐怖のどん底にまでたたき落とされたから、とりわけ心乱されるというようなことはなかったが、それでも精神的には振り回された一日だった。

 

夜、めずらしく娘から返信があって、おおよその内容はわかった。

どうやら娘の友人もいっしょに焼肉をおごったらしい。娘も母親が酒を飲むとおかしくなるのを知っているから、

「絶対に2杯まで」

ということで約束したらしい。

ところが酔っ払っていろいろと言い始め、現役で合格した長男がいかにすごかったかを、友だちに自慢し始め、酒は2杯どころじゃなくて5杯ぐらい飲んでますますおかしくなり、もういいからやめてくれ。あたしの誕生日なんだからと注意したけど、それでもキャピキャピと酔っ払ってしゃべり続け(ここはもう完全におかしくなっているはず)、もう一度注意したら、キレてわめいて独りで帰っていったと (-ω-;)。

自分の誕生日なんだから、お酒の約束ぐらい守ってくれればいいのに! だいなし!

と憤慨しているメールだった。

 

気の毒だけれども、それが元妻のふつうの態度だった。

もう今さら驚きもなにもしない。

ヤクザが自分より年下を集めて、食え、食えと言って奢って、自分の自慢話を聞かせるのとなにも変わらない。お義父とまったくいっしょ。

死んだ僕の父はそんな話を聞くのがイヤで、お正月に誘われても(母親はとっくに死んでいるから、好意で呼んでくれるのはわかるんだけど)、やがてなんやかんやと理由をつけて、遊びには来なくなった(来なくなったと書いたのは、元妻の両親と二世帯住宅を建てて住んでいたから)。

 

気の毒だけど、そういう母親のもとに生まれてしまったんだとあきらめるしかない。

それでもやはりかわいそうだった。

友だちの目の前で、自分の母親が酩酊状態になったんだから、恥ずかしかっただろうと思う。

 

しかし天性の脳天気さは僕に似たようで、すぐに話題を変え、

「大学入ったらまた穴開けるつもりだから、そしたらピアスつける! 大人っぽくていい! イヤリングはなくすからピアスのままでいいよ。こんどそっちに遊びに行ったら、見に行きたい」

と、気持ちはすでに大学入学とアクセサリーその他の買い物をしろという微妙な言い回しによる要求に変わっていたから助かった。

 

しかしあの元妻に毎日のように、

「金はどうするんだ。ローンはどうするんだ。勝手に会社辞めて。あんたあたしを幸せにするっていっただろう。なんだこのザマは!」

と顔を合わせるたびにののしられ責められ、それを背中で聞きながら、うなぎの寝床のような書斎に入って自分でつけた鍵をかけ、ごろりと横になって心を落ち着かせ、次にはストーリーの展開を頭の中で再スタートして(どうしてもうまく心を落ち着かせられないときには、本棚に置いてある焼酎だのウイスキーだのをごくりとひと口だけ口にした。その量がだんだん増えて、肝硬変にいたるわけだけど……)

「よし」

と起き上がって机に向かって文庫本を書いていたんだから、自分でもよく頑張ったと自画自賛してしまう。

 

これから日本の社会は、僕らが生きてきたころよりはるかに生きにくく、貧乏になることは必定だから(金持ちはどんどん金持ちになり、二極分化が進む)、せめてタフじゃなければ生きていけない。

っていつか聞いたセリフだな……。

 

あの頃の、書斎で孤独に闘っていたときの気持ちが、今日はすこし甦ってきてしまった。