✨どしゃ降りだっていいじゃないか。最後に晴れれば✨

小説家・小宅高洋(新ペンネーム)のひとりライフ。

■ 8/8(水) ④いいニュースと悪いニュース。


■おおお……終わった……あんなに眠くて集中できなかったのに、夕方いきなり進んだ。奇跡だ。

ただちにお詫びの言葉とともに送信。

よかった。これでお盆前に先方の手元に届けることができた。

まあこれはボツだろうけど、約束を果たせたことで肩の荷が下りた。

これはいいニュース。

 

■雑誌の連載3年分の原稿を預けておいた某出版社の編集の人から電話。

2カ所当ったけど、やはり難しいということだったと申し訳なさそうに言っていた。

その前にすでに1社から、

「すごく面白いので、文庫では無理ですけど、ハードカバーでどうかと会議に出してみたんですが、結論が出ないまま宙ぶらりんの状態になってしまって……いつ実現するか、しないかもわかりません」

という答えを得ていたし、自分でも、

「これは難しいかもな……」

と思っていたからとりわけショックではなかった。

 

以前にも書いたけど、21字詰め×370行(おおよそ原稿用紙20枚)という超短編の連作だから、まずもって前例がない。

前例がないと本を出さないのは、以前からそういう傾向はあったけれど、出版不況が長引く今なおさらだと思う。

よほど運良く、チャレンジ精神があって、会議での押しも強く、しかもふだん水準以上に売れている本を作っている編集者にでも当らない限りそんなもの。

まあこれは、また新たに文庫のスタイルを踏襲して、新たに書き下ろそうと思った。

たぶんそれが売れれば、この異色な短編集も出してくれるだろうというもくろみで。

これだけ3年間練って来たキャラクターたちをそう簡単に殺してはならないし。

(シリーズや連載が終わると、話中の登場人物というのは、死ぬというより、だんだんと影が薄くなって、魂が抜けて消えてしまうと思っている。彼らはストーリーの中では、確実に生きているし、息をしていると思う)

これは悪いニュース。

 

■久々に自分の名前で検索をかけてみたら、ある読書ブログでなんと6年前の本が取り上げられていて、図書館で偶然目にしたので読んでみたら、これが面白くて、シリーズを全部(といっても2冊のみ(-◇ー;)。編集長が替わるとシリーズが打ち切られるというよくあるパターン)読んでみようと思うと書いてあった。

彼が言うには、

「最近このジャンルの書き下ろしでは、主人公はふだんは茫洋としているが、やるときはやると、それがただそういう言葉で説明されているだけで、実際にどのように茫洋としているのか、どのような凄腕を持っているのかが、まったく描かれていない」

として、次のように褒めてくれていた。

 

書き下ろし作品とはいえ、かなりうまい筆運びがなされているし、作者が描く主人公像も特徴があって実に生き生きしている。通常の最近の書き下ろし小説の主人公の多くが、性格がのんびりしているとか、人から役立たずと見られているとかが記されて、その実、優れた明晰な頭脳と剣の腕を持っているという設定がされていて、その明晰さで主人公の性格として記されていることの実感が薄いのだが、本書では、主人公の姿が言葉ではなく事柄で描かれているのである。だから、主人公の姿がより鮮明に浮かび上がる。」

 

なにせ主人公の茫洋として状況に流され、人に利用されて行くようでいながら、心根は、上司の命令など御免こうむりたく、鮎釣りや畑仕事をしたいという願いをもったまま、しかも、自分の運命を受け入れていく姿が、なんともユーモラスな出来事として描き出されているので、読みながら「面白い」と思えるような作品になっている。何より、主人公に作者が心を入れているのを感じられて、主人公の茫洋さが出来事として描かれるのがいい。これはシリーズ化されているから、このシリースはぜひ楽しみながら読んでみたいと思う。」

(一部分、ジャンルがわからないように言葉を変えてあります。なお黄色い線は目立つように僕がつけたわけじゃなくて、コピペしたらなぜかこうなっちゃいました(-◇ー;)。

 

こういうのを見ると、心底嬉しくて、

(ああ、読者が喜んでくれた。苦しかったけど、がんばって書いてよかったなあ)

と、ようやく報いられたという幸せな気分にひたることができる。※1

 

これが、毎月1冊とか1.5冊とか書いている作家はこうは行くまいという確乎たる矜持があるのだが、それをわかってくれる読者は残念ながら少数なのである。これはどんなジャンルだろうが、僕の作品であろうがなかろうが関係なく、すべての作家に共通して言えることとして。

 

けれどこれだけ本があふれていると(これも以前触れたとおり、出版社は本を出し続けないと資金ショートする大変な自転車操業状態に陥っているから)、読者の方だって店頭でどれを買っていいかの判断がつかず、そうなると毎月毎月どんどん新しい作品を出している作家の作品を買えば、とりあえず安全という心理になってしまうのは責められないけれども。

 

これからは、2カ月に1冊上梓することを目標にして、なおかつ別ジャンル2つに少しずつ身を移し、本来自分が書きたかったジャンルになんとかたどり着こうと思っている。

これはとってもいいニュース。

 

というわけで、一日のトータルは僕にはめずらしくいいニュースの勝ちぃ!

ご褒美の大福、買いに行こっと!

ぐわっし!

(↑ わからないだろーなー)

 

 

※1 だし6年も前の本ですからねえ……(-◇ー;)。そんなもん、だれも覚えてるわけない。読者は次々と出される新作に目を奪われ、書店は毎日毎日入荷されてくる本の陳列作業と、売れない本の返品に追われ、当の出版社は自分のところで出したことすらたぶん忘れてる (-ω-;)。

まれに1年ぐらい前の本に増刷がかかることはあるけれども、それはその作家がかなり売れ線の作品を書いてもうかってるから、過去の作品ももういちど売ってみようと出版社が判断した場合のみ。ましてや6年前の本なんて……

このブログのヌシ様、お願いですから出た時に買ってつかあさい (´ノω・。)uuu...