✨どしゃ降りだっていいじゃないか。最後に晴れれば✨

小説家・小宅高洋(新ペンネーム)のひとりライフ。

■5/31(金) 断酒940日目(130531)

■4時過ぎ起床。

これからシャワー。髪とヒゲをさっぱりするつもり。

その後たぶん二度寝するだろうな。

 

■昨夜観たのは『SOMEWHERE』。

日本のサイトではあまり評価が高くないけれども、僕はセレブの正反対の立場だが、主人公にシンパシーを感じたな。

「職業の特殊性」というものを実際に生きてみないと、この映画に共感することは確かにできないだろう。

(特に最後の主人公の泣きながらのセリフは……あれだけはしゃべらせなくてよかった。あのセリフがあっただけで、映像の強みが逆に減じられてしまったような……)

 

しかしこのところ、なぜか身につまされる映画ばかりチョイスしている。

いやチョイスしたわけでは必ずしもなく、観て初めて

「え?」

ということが多い。

中高年の孤独であるとか、この『SOMEWHERE』のように空回りばかりしている主人公とか、あるいは可愛くてしょうがない愛娘と離れて暮らす空虚な生活とか。

僕も半ば強制的に家を出て、愛する、そして可愛い盛りの子どもたちと引き裂かれてこれ以上はないという孤独にさいなまされ、その後syonanの地に移り住み、子どもたちが、とりわけ下の娘が泊まりがけで遊びに来てくれて、その彼女と東京駅で別れるとき思わず涙が吹きこぼれそうになるのを何度味わったことだろうか。

 

主人公はどうやら成功した俳優で、僕はシリーズ打ち切りを宣告されたばかりの売れない小説家という違いはあるが、一般社会とはずれた日乗としては共通点が多かった。

例えばラスト近く、主人公がキャンプに行くという娘がタクシーに乗り込んだあと、

「いっしょにいられなくてごめんな」

と叫んだ瞬間がちょっとウッと来てしまった。

その声は、主人公がホテルへと戻るヘリコプターの爆音に書き消されて娘の耳には届かなかったけれども。

 

冒頭のシーンで無意味な旋回運動を続けていた愛車を、砂漠の中のハイウェイに乗りて捨て、笑みを浮かべながら先へと歩き続けるシーン、一瞬自殺するつもり!?なのかと……。

いや、彼は冒頭のシーンに暗示されていた無意味な車旋回運動(それは彼の豪華なホテル暮らしという日乗そのものを描いているんだろう)から突然切り離されて、遠心力で飛んでいく――もちろん母親にも置き去りにされた娘のもとへ――心地よさを発見できたからこそ浮かんだ笑みなんだろうと思う。

いや、そう解釈したい。

 

ともあれ、これは観客を選ぶ作品であり、辛口すぎる評価を与えている匿名一般評論家の日乗とは、あまりにもかけ離れていると思う(そういう作品を背伸びして、どうして映画サイトにレビューを載せるのか、僕には理解不能。Amazonのような本に対するレビューと、映画に対するレビューとでは、映画が一見わかりやすいし書きやすいからだとしか考えられない。本来ノンフィクションでもなければ、映画には理屈など必要ないのだよと思うけれども。いくつかセリフの運用面でミスはあるかも知れないが、この作品のように読者に想像をゆだね、監督なり脚本家なりの真意を、隠喩のまま直接観客の琴線に触れようとするという手法をとればとるほど、それは小説に近づいて行って、自ずと映像大好き人間の誤解を惹起しやすくなるのだが……難しいところだな。表現というのは)

 

■さて髪も乾いたことだし、薬を飲んで2時間ばかり寝よう。

たぶんカルニチンが満ちてきたのだろう。ますます調子がいい。

ただしまだまだ息の切れるような運動や、長時間のウォーキングは避けたほうがいいような予感がするけれども。

 

■午後5時。疲れ切って帰宅。今日はさすがにご飯を作る気力はないだろうと、いつもの格安総菜屋で、4個150円のメンチカツと、10個298円のカキフライの作りたてを買って帰る。

午前9時15分頃自転車に乗って出発したから、いくら映画を見て、コーヒーと甘い物で休憩したり、「ママのリフォーム」というお店にスラックスのボタン付けを頼んでおいたのを引き取ったりしただけだけど、それでも8時間近い外出となると、それだけで体力を使うんだろうな。

いくら体調が好転しつつあるとといえ、やはり長時間というのはまだつらいのかも。

そして肉体が疲れを訴えているころには、時間差で遅れて脳も働いていないことに気がつく。

こうなると、頭脳労働は一日ひとつということになるな……。

 

■その後約40分爆睡。

貧しい夕食を。

明日はきちんと作らなくちゃ。

 

■それにしても今日見た『モネ・ゲーム』、こじゃれた作品で、楽しめたなあ。

イギリスの俳優って、脳天気なアメリカ人の脳の一部を切り取って、知性を埋め込んだ副作用として、どこかクスクス笑いのブラック・ユーモアを愛するイメージがあったけれども、これは単純に楽しめた。

ピンク・パンサーを意識してますよー的な音楽も小気味よかったし……ただしアラン・リックマンのおケツをこれでもかと見せつけられるけど(^_^;)。