✨どしゃ降りだっていいじゃないか。最後に晴れれば✨

小説家・小宅高洋(新ペンネーム)のひとりライフ。

■1/22(火) 損をするのは最前線で働く人間だけ。

17年間マスコミの片隅にいたし、同じくマスコミにいた父親との考え方とはまったく違った物の見方をしてたから、僕の考え方は世間一般とは少しずれているのかも知れない。

 

しかしながら、ジハードを闘うムジャヒディンたちが、湾岸戦争でアメリカに追随してからというもの、日本に対する尊敬とあこがれの念を急速に失って今日に到っているという見方だけは、さほど間違ってはいないと思う。

 

たとえばトルコの軍艦エルトゥールル号が和歌山県沖で座礁し600人近い犠牲者を出した際、生存者69人を軍艦「比叡」と「金剛」に載せてトルコまで送り届けた礼節ぶりに感動し、その後トルコにとっては歴史的に仇敵であったロシアに戦争を挑んで勝利し、さらにその後になってアジアの国としてはアメリカと正面切って互角に戦い破れた東洋の小国日本は、尊敬とあこがれの的であった。

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先の大戦に負けた後、東京裁判に引っ張り出された大川周明が、被告席で前に座っていた東条英機のはげ頭を思いっきりぶっ叩くなどしてわざとキチガイのマネをした後精神病院に収容され、その入院中にコーラン(クルラーン)の全文和訳をなしとげた話は有名であるが(たぶん本気で東条英機をぶったたいている)、その大川らがインドの対英独立戦争を支援し、イスラームとの連携によるアジア主義を唱えて接触していたこともまた、インドやイスラームの民の親日感を強める要因となっていた。

 

だからこそ、イランやイラクが日本に対しては特別な感情とともに便宜を図ってきたのであり、

「どうせ石油を売るなら、アメリカやヨーロッパより日本に売りたい」

というのが正直な気持だという裏話も、商社に勤めた中学高校の同級生から聞いたことがあるがムベなるかなと思う。

 

ところが湾岸戦争だけでなく、ニューヨークで起きた3.11テロにより、イランを敵視し始めたアメリカが(ちょっと前までイラクを敵視してイランに肩入れしたのを失念したかのように)、イランの核開発阻止のためイランと日本が立ち上げていたプロジェクトから撤退しろという圧力に日本が唯々諾々と従ったばかりでなく、

「テロには屈しない」

と、まるで自分たちがアメリカやヨーロッパの一員であるかのような(西洋人はだあれもそんなこと思っちゃいないという悲喜劇)あたかもペットのオウムの如き発言を繰り返し続けたため、今では日本人はイスラームにとって、報復のおそれのない裕福な金持ち種族として軽く見られていることは否定しようのない事実だろう。

 

こうした変化を知らされることなく、一生懸命勉強して、いい大学に入り、いい会社に就職して、日本はもちろん世界の人々のためになる仕事をするんだと希望に胸弾ませながら海外に赴任していった同胞たちに、こうして悲劇が襲いかかった。

日揮だけでなく、日本の商社のほとんどが、そうした危険に気づいていたはずである。

とりわけ首脳部は、会社がつぶれては大変だからと、内心では

(なにもなけりゃいいが)

という一種神頼みというか、ただの希望的観測だけで部下たちを海外に送り出していった確信犯と言っても、僕は言いすぎだとは思わない。

 

一方で自衛隊の海外派遣絶対反対を叫んでいるサヨク(古くて空しい言葉だ)人権主義者も、国家経営戦略の美名のもと先の大戦における陸軍参謀本部や連合艦隊司令部のごとく振る舞っている経済産業省の官僚たちも、机上の空論をもてあそんでいるという意味ではまったく同じ穴のむじなだろう。

 

末端や最先端で闘う兵士を無視して本体だけ温存できればいいという、明治維新以来の軍隊や、戦後その武装を解かれ営利部門だけ独立したかのような重厚長大産業に支配される構図というのは、驚くほど似通っているというか、本質はまったく変わっていないことに驚かされるばかりだ。

 

鬼畜米英を叩き込まれて水練も受けさせてもらえずに溺死していった多数の海軍の乗組員と、理想と平和ばかりを教え込まれて現地での危険やイスラームと先進国(つまりキリスト教原理主義。含むイスラエルやアメリカのユダヤ教徒)との血塗られた歴史を学ぶ機会を与えられなかった現在の企業戦士たちとが、どうしても重なって見えてしまうのも、これまた僕の考え方が、世間一般とはずれていることからもたらされた妄想なのだろう。