✨どしゃ降りだっていいじゃないか。最後に晴れれば✨

小説家・小宅高洋(新ペンネーム)のひとりライフ。

■ 8/3(金) ③たぶん僕のジャンルは、あと10年もすれば地盤沈下する。

その先輩作家さんの作品が次々と売れ始めるや、驚いたことに(というか商売では当たり前のことだろうけど)、その作家さんが貫き通してきた“特殊な題材”を、他の作家にも勧めるようになっていたのである(゚◇゚)。

 

その作家と、その作家の得意とする題材に対する評価が、180度コロリと変わってしまった。

(ここにおいても、「マーケティング」なんていかにもハクをつけようと横文字を使った商売の概念が、実際は金のかかるわりに大したことのないものであるか露呈してしまったのだが、それは今の話題とは関係がないのでやめておくけれども、しかし「過去の成功例」にとらわれてチャレンジすることなく、それどころか逆に排除することによって、莫大な財宝を逃してしまったということだけは言えるだろう)

 

そうした出版社のひとつが、先日僕にダメ出しをした会社でもあるのだが(どうやらそうしたことは忘れちゃうらしい)、100歩譲って僕の提出したプロットや第1章が破り捨てたくなるほどひどくなるものだったとしても、そのときのダメ出しの理由が、読者はそんなものを読みたがるだろうかとか、暗いとか(現在は脳天気に明るい作品が主流のようなので)、過去のマーケティングから一歩も出ていないんだなということに少なからず驚いたし衝撃だった。

 

つまりそこには、形骸化した編集者しか存在せず、あくまで読者と作家の橋渡しをする役目でしかなくなっているのである。

そしてその読者というのが、佐々木氏の言うところの

頭が悪く俗悪で単純な構図しか理解できない人」

であった場合にはどうなるだろうか。

(しかし佐々木氏、表現キツイな……(^◇^;)。

答えはおのずと明らか。

そのジャンルそのものが、俗悪なものと化していくのは当然の帰結だろう。

 

そしてまずは良質な読者が離れてゆき(すでに離れているかも知れない。同じジャンルでも、大手出版社が出している質の高い物に流れているのは確実で、パイはせばまるどころか増えているような印象さえある)、残った衆愚な読者もいずれ飽きてしまって、これまた別のジャンルへと大移動を開始することは火を見るより明らか。

(事実、過去において、狭い意味でのミステリー、推理小説、鉄道殺人もの、紀行ミステリーなどがいきなり地盤沈下を起こしている。これは、売れると踏んだらたとえ水準以下の作品でも集めるだけ集めて大量出版したから飽きられたのは明白)。

 

これでまず困るのが作家だが、実は出版社も安閑としていられなくなっているのが現在。

個人の作家よりはるかに体力のある出版社は、次の新しいジャンルを発見して、同じようなお祭り騒ぎをすれば生き延びられるだろうし、そうしようと考えているのは間違いないけれども、過去と大きく違って来たのは、時代の変化。

 

まずは、いま十代二十代の読者たちは、それまでの読者とは明らかに好みや考え方が違って来ているということがひとつ。

たとえばライトノベルスにおいて、我々年配者だったら、男の子が主人公で、そこに友情と冒険と夢が語られていれば、読者は当然男の子だろうという間違い。

現実の男の子がだらしなくて、満足できるヤツが少ないから、せめて物語の中にその理想を求めようと読んでいるのは、大半が女の子なのである。

ところがこんなことひとつ理解できている編集者は、本当に少ない。驚くぐらい少ないし、頭がかたい。

これはあくまで一例に過ぎないけれども、そうした新しい読者のニーズに答えられる若い編集者を育てている出版社はいいとして、過去の成功体験だけで会議を進め、若い編集者の意見や成長をつぶしている出版社であれば、たぶん未来はない。

 

(まあた長くなっちまったぜい。続くぜい。洗濯機止まったらやめるぜい)