✨どしゃ降りだっていいじゃないか。最後に晴れれば✨

小説家・小宅高洋(新ペンネーム)のひとりライフ。

■ 6/30(土) ②雑感。

●官邸前のデモ。報道すらしなかった大手マスコミも、ついに無視しきれなくなったのか、昨日はTBSの報道番組で大きく取り上げられていた。

野田首相とそれを操る財務省、経産省の役人は、完全に国民の動向を読み誤った。

国民は「納得しさえすれば」消費税アップはもはやしかたのないことと思っている。どちらかというと、絶対反対というのは大飯原発、そしてそれを皮切りにしようとしている再稼働問題だろう。

 

■そうした意味では、小沢一郎氏も新党を作ろうがなにをしようが負ける。世論を完全に読み誤っている。

「正義の闘い」などと口にしても、消費税での闘いはまず焦点にならない。

もし小沢が「政権をとったら、その時点で即刻すべての原発を廃止する」と訴えたら、あるいは大逆転があるかも知れないが。

 

■自分で料理をしていると考えることがある。ほうれん草などの菜っ葉を一枚一枚洗っていると、

(僕でさえ気になるのだから、ましてや幼い子を持っていたり、妊娠していたりする若いお母さん方はどうだろうか)

と。

それでなくても朝から晩まで息つく間もなく働いて、家事をこなして、あげく菜っ葉を一枚一枚ていねいに丁寧に洗わなくてはならない手間を考えたことがあるのだろうか。この国の偉い人たちは。

 

■女性の根本にあるのは、子孫を守り育てることである。

だから、子どもの生命が脅かされそうなことについては、本能的なアレルギーや警戒心が強い。

これを忘れて、企業の論理、言い換えれば男女不平等社会なんだから、男の論理で原発を再稼働しようとしても、そう簡単にはいかないし、これまでのいろいろな問題とは違って、人々の記憶が薄れるには相当な時間がかかるだろう。

それを、官僚も、政治家も、財界も、広告代理店も、読み誤っている。

どちらかと言えば、いま国民は、とりわけお母さん方は、

「消費税上げてもがまんするから、原発やめて」

という願いの方が切実なんじゃないだろうかという気がする。

 

経団連会長で、住友化学の会長でもある米倉弘昌氏が、原発を再稼働させなければ日本の経済はめちゃくちゃになり、みんな海外に出て行ってしまうと言って、政治家を脅している。

しかし原発を再稼働したからといって、日本衰退の動きがはたして止まるだろうか。

安くて能力があって、意欲的な発展途上国の労働者に太刀打ちできると考えているのだろうか。

日本人しかできない伝統工芸などの分野は別として、世界の誰が作っても同じというパソコンや冷蔵庫、テレビ等を見れば結果は明らかだろう。

原発が生き残り、特殊な町工場だけが生き残って、その中間のメーカーと下請けの町工場がぜんぶ海外移転。原発の電気は過剰供給となりましたなんて笑えない話が起らないとは言えない。

 

■その意味で、僕は日本経済の衰退もひとつの道であると主張している。

日本は確かに貧しかった。優秀な民族性を持ってはいるが、悲しいかな資源はないし、資源獲得のために起こした戦争では、アメリカにこてんぱんにやられて勇ましい気持ちを失った。

そして経済戦争に負けた現在、もはやこれまで通りの社会システムを維持するのは誰が考えてもムリじゃないだろうか。

 

■日本の経済を発展させるために、国は国策として、農村から次男坊三男坊、女子工員を大都市とその周辺に連れてきた。

その子孫たちが、都会にあふれているが、もはや全員が幸せ(日本社会の中だけの相対的な意味で)になれるはずがない。そんな余裕はもうない。

ならばどうするのか。

特殊技能を持った町工場や、伝統工芸などは生き残るだろうが、それだけではすべての人間を雇い養うことなどできるはずがない。

農村への回帰しかない。

理屈ではそれしかないと思うが、そんなのイヤだと多くの国民から拒否されるのもわかりきっているから、都市の本格的なスラム化がやってくるだろう。そして金持ちは安全を求めて、金持ち同士で町を形成する。

これまたアメリカの負の部分の後追いである。