■ 僕は貧乏と引き替えに別の人生を選択したのだけれど……
こんなこと書いてるあいだに、また布団にもぐるべきなんだけど、お茶淹れちゃったし (-ω-;)。
そのチャレンジの際に気がついたことは、僕の場合、夜の10時より前に寝ると確実に2時とかに起きてしまうという点。
8時間睡眠じゃないとダメな体質だから、これじゃダメに決まっているんだけど、11時に寝ると、8時間寝られるということも発見。
そんなこんなの試行錯誤を何年も苦労しながらやってみて、ようやく、
「11時前寝の6時過ぎ起き」
というのが、自分にはもっとも合うパターンであることがわかったのだ。
なんだよ、こんな簡単な結論……(´・ω・`)。
だから、世間の忙しい勤め人たちが、睡眠時間を削って仕事をして……というのが、僕にはまったくできない。
健康をもてあましていたような時代でさえそう。
いや、さほど頭を使わないで済む仕事だったらなんとかなるだろうが、クリエイティブな仕事にだけは就けなかっただろう。
それでもかろうじて17年間も会社勤めができたのは、編集者というのがとても不規則な生活であって、なおかつ何時に寝て何時に起きて何時に出社しても各自の自由という雰囲気の出版社に勤めることができたからである。
8時間寝られるのならば、週に会社のソファで2日間寝ていても仕事はできた。ビクともしなかったし、企画が湯水のようにわいてきた。
しかしその代償として、とうとう身体が悲鳴をあげてきた。
若いころはまったく感じなかった泥沼のような疲れが、40代あたりから少しずつ澱(おり)のようにたまっていくのが、自分でもはっきりと自覚できるようになった。
副編集長になる直前だった。
しかしなったら死ぬ、と思った。
それで副編になることをのらりくらりとかわしながら、数年間悩み抜いたあげく、とうとう堪忍袋の緒が切れた上司たちによって管理部門に飛ばされるという段となって、会社を辞めた。
好きな先輩がガンで亡くなり、あるいは鬱病となり、あるいは僕以上に酒をのんで肝臓だけではなく人格まで破壊され、あるいは馬車馬のごとく働いたあげく売り上げが低迷して飛ばされ……そんなことをイヤというほど見てきたこともあった。
そのとき、上司や後輩たちにめぐまれていれば、やめなかったかも知れない。
だがめぐまれていたのは、慕って来てくれるフリーランスの人間たちだけだった。
どうもあの昔の箱根の野良犬事件や、妙な人間から好かれること、芸者あがりだのやくざの娘だのふつうじゃない女たち、そんな人間たちとフリーのライターを比べるなんて失礼を言うつもりは毛頭ないのだけれど、どうも僕にはそうしたアウトロー的な性格が、生まれながらにしてそなわっていたような気がする。
その臭いを敏感にかぎつけた人間たちから好かれるのは、そういう理由しか考えつかない。