✨どしゃ降りだっていいじゃないか。最後に晴れれば✨

小説家・小宅高洋(新ペンネーム)のひとりライフ。

■ 12/18(火) バラ色の夢という悪夢。 

引きこもりバイト進行中。ひぃひぃ……

 

なんだかここ数年、ネットで調べ物をしたり、商品を買ったり、そんなことしかパソコンを使わなかったら、だんだん世の中でなにをやってるかわからなくなって、なにか入門書でも買おうかなとアマゾンを見ていた。

なにしろ去年まで、インターネット・エクスプローラしか使ったことがなく、Google Chrome なんぞ使ったこともないし、そもそも興味がなかったから。

Safariというのはいちどいじったことがあるけど、慣れる前に努力するのがイヤになってしまって挫折。Firefoxって評判いいよなと思った次の瞬間存在をわすれ――

自分がまさかここまで浦島太郎になるとは思ってもみなかった。

 

そうしたら……

いやこれ、知識のある人はいいけれど、そうでない人、とりわけこれから社会に出て行く人の中には、焦燥感・不安感を抱く人もいるんじゃないかなと思った。

それそれ携帯はなんとか維持できても、さらにノートパソコンだのWi-Fiだのプロバイダ料金だの莫大な投資をしなければついていけない。

大学生でそれらを苦もなく払える人間ばかりじゃないだろう。

それに加えて、流行の洋服だって欲しいし、デート代も稼がなきゃならないし、クリスマスだの誕生日プレゼントだの、お金が無限にかかるような気になってくる。とりわけ男子の負担は大きいだろう。

 

いくら便利な機器やアプリを使いこなせば、バラ色の生活が待っていると言われたって、それは一種、マスコミを含むメーカーやソフトウェアの会社による脅迫とも言えるんじゃないだろうか。

しかも、新しい機器やアプリなどは次から次へと出てくるわけで、それをいちいち追いかけていたら、キリがないしお金がもたない。

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僕のように、学生時代のバイトに、秋葉原の電気量販店の配達やら、ちり紙交換やら、水道管や排水の工事会社、アルミサッシ専門の工務店、ときにはテレビ局のアシスタント・ディレクター、ステーキ・レストランのフロア係……なんだか時代を無視したようなことばかりしてきた毛並みの変わったタイプは別だろうけど、大半の人間は、やはり友人や社会の潮流やらが気になって仕方がないはずだ。

とりわけ日本人の横並び意識は強いから、焦燥感がやがて不安感となり、

「自分は社会に取り残されている」

「自分は役に立たない」

などとい根拠のない強迫観念にとらわれて自信を失ってしまう人間だって少なくなかろう。

 

いくらでも夢を追うことはできるし、いいことがたくさんある社会になったけれども、そのチャンスをものにできない人間には、なんという残酷な社会になってしまったんだろう。

貧富の差――それだけならばいくらでも挽回はできるし、見かけばかりで大したことはない「張り子の虎社会」であると、その底の浅さを認識できるだろうけれども、問題はどうしようもない能力の差である。

 

今の僕のように、なにをどうしたらみんなについていけるのか、どんな勉強をしてどんな機械やアプリを採り入れたらいいのか、わからない人間の方が圧倒的に数は多いと思う。

これが「選別」の道具として使われないことを祈るばかりである。

「世の中の本質は、江戸時代からそう大して変わっちゃいないよ」

と、耳もとで囁いてあげたいと、真剣にそう思った。