✨どしゃ降りだっていいじゃないか。最後に晴れれば✨

小説家・小宅高洋(新ペンネーム)のひとりライフ。

■ 7/20(金) ②雨の日も、風の日も、吾いささかも変わることなく孤独を楽しまん。

なんだか読書と雑用の日になってしまった。

寝る準備まであと2時間、ラストスパートをかけなくちゃ。

 

資料としてどうしても欲しかった小さな辞書を買うために、サークルKまで歩いて手数料無料でお金を引き出し、アマゾンのギフト券を購入。

クレジットカードがないと、いちいちめんどうだけど、まあ無駄遣いしないからいいや。

 

帰りにはオヤツがわりにと、パン屋さんでアップルパイとヨーグルトのデニッシュみたいなの(小生は食べ物に限らず、人の名前、本の名前、あらゆるものを忘れてしまう……自分の頭の中に入ったら、名前より情報としての中身が必要で、誰がなにを言ったかとか、どこの店でなにを売ってたかとか、そういうことはさほど重要ではないらしい)を買い、テラス席の4人掛けテーブルを占領。

買った人だけ紙カップをくれるので、無料珈琲を飲みながら、雨の日の国道をぼんやり。

途中でスズメがやって来たので(このパン屋のテラスは彼らの重要なエサ場となっているらしく、いつもほとんど逃げない。

僕も含め、客がパンの屑を放ってあげるから、警戒しつつも襲われないということを学習してるんだろう。

今日は1羽だけ姿を現し、必死に自分の存在をアピールしようと鳴いていた。

パン屑をすぐさま近寄ってきて、1メートルぐらいしか離れていないところで、必死についばむ。

しばらくするとどこかへ消えてしまったが、また現れて手すりの上でアピール。

こんどは少し大きめのを投げてやったら、こんどはその場で食べずにどこかへ運んでいってしまった。

親鳥だったのか、雨で濡れていたから、大きさがよくわからなかった。

今日書くことをじっと考えながら、ちょっとゼイタクなおやつを食べ終わり、ぶらぶらと帰宅。

 

僕が結婚して家を出てからというもの、早くに死んだ母親、6年前に死んだ父親が、ふだんなにをしてどこでどんな買い物をして、どんな旅行に行っていたか、残された写真をみて想像するしかなかったように、僕の子どもたちも、今日の僕がパン屋のテラス席でひとり菓子パンを頬張っている姿などまったく知らないわけで。

 

当たり前だけど、どんな近しい間柄でも永遠に時間を共有することなどあり得ないわけで、実はほ乳類の子育てというのは、他の生物に比べるとスパンが長いだけの話であって、実は卵として産み落とされたあとは、親の顔も知らない、兄弟のこともよくわからない魚類などと同じなんじゃないかという気がしてくる。

 

いや、人間なんてプランクトンに毛が生えた程度の存在なんだろう。

細胞が分裂し、成長し、新しい細胞を生み出し、老化が始まって、自身の役目を終えて無の世界に帰る。

親のこと、友人のこと、生まれ故郷、歩んできた道など、多少なりとも覚えているかどうかという、実にわずかな差異しかないのではなかろうか。

 

そう考えれば、絶対的な孤独も当然のことだと納得できるし、自分は細胞の集合体として、やや高度な頭脳活動をおこなえる生物のひとつに過ぎないと、あきらめもつこうというもの。

 

それを納得できるようになれば、出会った人間とは互いに労りあいたいし、逆に世間を捨てて孤独な作業に打ち込むこともできる。

大多数は前者であるが、そこには傷を舐め合うという甘えが生じる危険性があるし、少数派の後者であっても、自己満足で終わってしまうという落とし穴もあるに違いない。

 

しかし後者の、絶対的な孤独を選んだ僕はむかしから思うのだが、不安をまぎらわせるために多くの人間と知り合おうと、異業種交流会に参加したり、会社の同僚と朝まで飲んだりマージャン卓を囲んだり、休日にもつるんでゴルフに出かけたりしている人間が、ある日突然定年退職などでリタイアを余儀なくされた場合の孤独感というのは、まるで崖の上から転げ落ちたような衝撃を受けるのではないかと思っている。

 

僕はやはり、生まれ変わったとしても、孤独と向き合って自分の内面と会話していく道を選ぶだろうと思う。

寂しさ、人恋しさを感ずることはあっても、時間が経過すれば次第におさまってくるものだと思うから。

僕のような凡人が泰然自若と生きるためには、孤独という修行がどうしても欠かせないんだと思う。

 

と結論づけようとする一方で、もっとも幸せな人間というのは、生涯お互いに尊重しあえるパートナーと出会えて、子どもたちや孫たちに囲まれた毎日を過ごし、なおかつ社会的な付き合いも楽しいという人間であるだろうと、思わざるをえない。

しかしそれは、極めて少数の人間にしか獲得できない運命なのだから、こればかりは不平不満を言ったって、どうなるわけでもあるまい。

 

さてもうあと1時間半になってしまった。

また絶対的な孤独に戻って、キーボードを叩き、自分が生み出した作中人物と労りあわなければ。