■ 7/11(水) ⑤勝ち続けの人生なんて無いのと同様、負け続けの人生もない。
お仕事スタートした瞬間に、連載している隔月誌の新編集長から電話。
やはり来年正月号から完全リニューアルしたいということで、とうとう連載打ち切り。
創刊号からお世話になっていたけど、そのときに声をかけてくださった編集長は部長となってその後定年を迎え、担当のこれはできると感服した女性編集者は別の雑誌に異動。
まあ、そのニュースを聞いた春から、そろそろ収束かと思ってはいたけれど。
創刊号から数えると、あと2回の連載できれいに丸3年。
あっという間だったな……
しかし思いはどちらかというとその過ぎ去った時間に呆然としてため息をつくばかりで、終わることに関してはさほど感慨はない。
なぜなら、永遠に続く小説連載などないから。
しかもいいキャラクター、いい脇役を生み出して来られたのも、2カ月に1度という連載のおかげと言っていい。
限られた枚数の中で、すべて一話完結にしなければならないから、キャラクターというのがとりわけ大事な要素というか、それがすべてだったから。
いずれこれは、書き下ろし作品としてまとめて出版したいし、このキャラクターたちを使った新展開の文庫を出していきたいと思っている。
こうした形態でファンレターが編集部に届くなんてことはめずらしかったらしく、後半からどんどん読者の反応が高まっていった。
そのありがたい読者の方々(ほとんど僕のひとまわりもふたまわりも先輩の人々)が、話の続きを読んでいただけるように、こちらも営業の努力をしなくてはならない。
まあ、勝ち続ける人生がないのと同様、負け続ける人生もまたないはずで、生きるコツというのは、その負けをなるべく少なくするという形が、いちばん心が安定するんじゃないかと思っている。
勝ち続けることに重点をおいてしまうと、とたんに人生が苦しくなる。
だから、鶯が鳴くまで努力しながら待っている姿勢が、とても大事じゃないかと思う。
たとえ限られた人生の時間に、夢が実現できなかったとしても、それはそれでしかたがないこと。