■ ワレ、ふたたび生還セリ!
6時起床。やっぱり体に11時就寝の6時起きという基本リズムができあがっているんだなあ。
おととい10時に寝たときには3時間睡眠になってしまったのに、途中2度ばかり、ハッと意識が戻ったけれどもまたすやすや。
今日は断酒470日目の朝を迎えた。
いつもと変わらず、洗濯をやっつけ、資源ゴミを出して、お茶を一杯。と言いたいところだけど、検査までは絶食。
早めに出て、9時に着いたら、僕の前にエコー検査の予約は入っていなかったらしくすぐさま検査室に。
どうなることやらとまたぐったりして、ふたたび診察室に呼ばれるまで待合室でよだれを垂らして寝る。なーんかここの待合室って寝やすいんだよなあ。左横のおじいちゃんも、右横のおばさんも、こくりこくり。
診断結果は、
「満点!」
は?
「いやー、やっぱり僕の言うことを聞いてすぱっとお酒をやめたからだね。もう肝臓はパーフェクト」
「でも先生、肝硬変って一生治らないんでしょう?」
「これが肝硬変なんて口が裂けても言えない。肝炎とも言えない。さまこに健康体そのもの! わっはっは」
……そういう問題じゃないと思うんだけどなあ。
「しかし残念なことに」
そら来た。
「ピロリ菌が陽性だったな。これはくわしい結果が出たらやっつけちゃおう。除菌は1週間で終わりだから、その後半年したらまた検査すればいい。はい。これお土産に持って帰りなさい」
先生、検査結果であるプラスチックのプレートみたいなのを、また患者用のパンフにセロテープでぴたり。先生、切り貼り工作が好きなんだなあ……。
「あとは……ああ胆のうにポリープか……それはいいとして」
は? それってすごく大変な問題では?
と思ったものの、先生すでに意識が次に移っていて引き留めようがない。
「あとは、脾臓腫大と。これ自体は病気じゃないし、これはアルコール性の肝炎にかかったときの結果でおこったものだろう」
ほうら、いま肝炎って言ったじゃない!
「問題は、やっぱり栄養だなあ。ほら、この肝臓の数値、みんなどんどん改善してるだろ。肝臓はいいんだよ。ただな、ひとつだけやっぱり栄養の吸収が悪いから、血液も薄い。赤血球が足りないなあ。りっぱな貧血だぞ! たんぱく質が足りないのはレキゼンとしておる。まずはビタミンB12だろ。次に葉酸。その後に鉄分だな。もっとしっかりたんぱく質を摂って、レバーとかもむしゃむしゃ食べなさい」
え? あのう、鉄分の摂りすぎは活性酸素を増やして、肝臓に大きなダメージを与えるから、と先生の新しい本にも……
「それはとりわけC型肝炎の人が注意しなければならん問題だけど、君の場合はこれだけ肝臓の数値がいいんだから、多少摂りすぎぐらいでもだいじょうぶ」
「しじみとかでもですか?」
「ああ、しじみもむしゃむしゃ食べなさい」
……。
「ま、この調子でいっしょにがんばっていこうよ! はい、次の方」
あのー、ポリープは……。
だが先生の僕に対する興味はすでに失われている。こうなると、しつこく聞こうとすると機嫌が悪くなるので今日は退散。少しずつ聞き出さなければ。ってなんか真犯人を追ってるのか我が輩は。
まあ、ピロリ菌はたいした問題じゃないからいいや。
※家に帰って調べたら、なんか胆ポリープって、大むかしは無視されてたけど、その後はばしばし切るようになって、最近では10ミリ以上に成長したものとを切るなんて説明があったけど、
『患者よがんと闘うな』で一躍有名となったあの近藤誠先生によれば、胆嚢ポリープでがんになったなんて聞いたことがないし、そういう報告もない。明らかに迷信。間違い。
とあるのを発見。
なんだ。ときどきエコー検査してればいいんじゃない。
……あり? 我が輩って健康???