✨どしゃ降りだっていいじゃないか。最後に晴れれば✨

小説家・小宅高洋(新ペンネーム)のひとりライフ。

若い作家志望者たちにエールを……

いやいや、ライトノベルスをこれだけ真剣に読んだのは生まれて初めてのこと。僕とはまったく住む世界、描く世界が違うんだけれども、けっこう面白いんだなというのが正直な感想。

仕事だからノートをとりながら人間関係であるとか、時制がおかしくなっていないか、ずれていないかなどをチェックしながら読まなければならないのだが、もしそれをしなかったら、

(ん?)

となんどかページを後戻りするようなことがあったと思う。

いや別にその作品がダメとか言ってるのではなく、まったくその逆で、僕の方がついていけなくなっているんだろうと思う。その展開の速さとかストーリーのテンポとかに。

おとといから始めて、ようやく慣れてきたから、明日からグッと進むだろうけど、最初は少々戸惑った。

だってヘタしたら自分の息子のような年齢の作者が書いてるわけだから、まあそれも仕方ないよなとは思うし、こっちも一応は10数年間まがりなりにも文章を生業として生きてこられた程度の読解力はあるから、いったん慣れれば問題なく読み進められるだろうけど。

いやそれどころか、

「面白い!」

と思い始めているのだ。

 

しかし、自分より若い世代にどんどんと才能が出てくるのは脅威ではあるけれども、同時にたのもしいなと思う。

出版不況で、消えていく同業者も数多く見てきたけれども、どうか若い人には歯を食いしばってがんばってもらいたいな。

 

しかし同時に、この狭い業界にはむかしから嫉妬という醜い感情に支配された作家も多いんだけれども、どうかそうした邪な感情を持って、仲間と徒党を組み、自分より優れている者、自分を追い越していった者に対する陰口なんかをきいて欲しくないと思う。

しょせんこの業界は孤独な作業で、書く前も、書いている最中も、書き終わった後も、本が発売された後も、さらには1年以上時間がたった後でさえも、

(この作品は本当に面白いんだろうか。面白かったんだろうか)

と気になって仕方がないもだけれども、長年書き続けているうちに、次第にそんな感情は消えていく(しつこく残っている人ほど、嫉妬の世界に足を踏み入れがち)。

その時その時に全力を出し切って、書き終わったらさっと忘れてしまい、まるでなにごとも無かったかのように次の作品世界に脳細胞を集中させていく――結局はそれ以上でも以下でもない世界であって、他人がどうだの過去の作品がどうだの、それを気にしているうちはまだプロとは呼べないと思う。(まあ、大先輩クラスといえどもそういう人が多くて困る、ということを、尊敬する数少ない先輩と語ったこともあるけれども……)

 

これはある超売れっ子作家が、プロを目指す人たちに書いた十か条のひとつだ(ほんとは極秘らしい(^_^;)。

「文章を書くことを至上の喜びとするか、他にできることがない人以外はこの仕事につくべきではない。 文筆業には辛いことしか待っていないと覚すべきだ。書ている間は不安だし、作品が評価されるとは限らない。生活も安定しない。それでもなお書き続けるなら、不遇であっても他者や環境のせいにしてはならない。いつ品が評価された時には、その成果はあなたひとりのものなのだから。」

 

僕なんか足下にも及ばない成功者だし、はるかに若い人なんだけれども、これを初めて読んだときには、なるほどその通りだと思わず頷いたものだった。

どうか、がんばってください。