■8/4(日) ②行っちゃった。
■ランチを食べてから帰るということで、1時間に1本しかないバスに大慌てで乗ってchigasakiラスカ。
食堂街で娘はワタリガニのパスタとグリーンサラダとマンゴーのタルトに烏龍茶。
ボクはコーヒーだけ。
友だちに渡すバースディ・カードを買って、本屋さんをちょこっとのぞいて。
もう今日はそれだけでオシマイ。
駅からホームのいちばん前で電車を待ち、なんだか珍しく空いているので二人がけの席に並んで座れた。
隣りのtujidouでボクは下りる。
それでさようなら。
ボクが朝、イタズラでトランクケースに貼っておいたくまモンのシールを見つけてはがし、渡した台紙に貼り付ける娘。
その姿を斜め後ろから見下ろす形で、ああ、大きくなったなあと。この次会う時には、どのぐらい大人っぽくなるんだろうと。
たったひと駅。
下りる前に、息子(兄)が出してくれないから代ゼミの後期はムリだろうとか(ちょっと悲しそうな顔をしていた……)、受験がんばれとか、漢字が弱そうだから、夏の間に問題集を一冊仕上げなさいとか、いろんなことをバーッとしゃべって。
下りる時、前触れもなく、わっと涙がこみ上げてきた。
声が震えて、涙声になってしまい、
「じゃあね。がんばってね」
というのが精いっぱい。
娘も気を遣ってくれて、
「楽しかった。また来るから」
と、お互いが見えなくなるまでずうっと手を振ってくれていた。
何度も何度も繰り返し考えたことだけれども、どうして娘といっしょにはいられないんだろう。
自分が選んだ道とはいえ、いくらしかたないこととはいえ……
ではあのまま、いつキレて何をするかわからない半狂乱の妻の言うことを、ハイ、ハイと聞いてやり過ごしていれば良かったのだろうか。
それに堪えられなかった自分にすべての非があるのだろうか……いつものジレンマがボクを襲う……
弟も二度の結婚に失敗して独り暮らし。
どうも我が家は、家族縁が薄い家だったんだろう……
だからこそ、子供たち、とりわけ娘には、やりたいことをやりつつ、家族にも恵まれて、楽しい人生を過ごして欲しい。
子供たちをホームで見送る時の、いつもの感情が、わずかの間にわあっと押し寄せて来る。
ああ……とうとう電車が行ってしまった。
追いかけたくても、追いかけられない。