僕なりの文章修行術⑬ 丸谷才一先生(2) ~手前味噌付き😅~
前回丸谷才一先生の名著である『文章読本』をご紹介したが、丸谷先生の多岐にわたるエッセイ、小説類の中で“とっつきにくい”と言われているものは、「歴史的仮名遣い」であろう。
先生の著作を読むにあたってまずはこの歴史的仮名遣いを読まなければ、一切が頭に入ってこない。
しかしここで「歴史的」という言葉を用いること自体、丸谷先生に言わせれば
「とてもおかしなことで、これこそが本来の日本語である」
と徹底抗戦しておられる姿が目に浮かぶ。
さて先生の文章でとりわけ読みやすいものとして取り上げたいのが、『挨拶はむづかしい』と、続編の『挨拶はたいへんだ』
の2冊である(どちらか1冊でもかまわないだろう)。
いずれも,、媒酌人として、~をしのぶ会での挨拶として、結婚披露宴での祝儀(しゅうぎ)、贈呈式等等、マイクを握っての挨拶を口頭で述べられておられるので、耳に入って来やすい(audibleね。なんて書いたらあの世から怒られるかな)
これらは挨拶という短かさで文章のエッセンスを体得するには本当に素晴らしい題材である。
ここで、ちょっと恥ずかしい告白をすれば、『挨拶はむづかしい』には、僕が離婚した妻との披露宴の宴席上で挨拶をお願いした文章が収められております😓