✨どしゃ降りだっていいじゃないか。最後に晴れれば✨

小説家・小宅高洋(新ペンネーム)のひとりライフ。

《結婚なんかしちゃあなんねえ!》①

オンナが変わるのは、花粉症の発症メカニズムと同じ!

実際に、ある女性Aさんのことを考えてみよう。

彼女は生まれつき引っ込み思案な性格で、女子中学・高校という3年間一貫教育の“オンナの花園”で青春時代を過ごしたため、男子学生としゃべったことなどほとんど無く、大学生の時に同じテニスクラブに入っていた男子学生に誘われるがままお付き合いをし、結婚まで至ったという今どきめずらしい女性である(でもけっこういるよ。宝塚の学生なんて、ホント、綺麗だよねえ。内実はまた別なんだけどさ〈実話多数〉w)。

 

その彼女を心身ともにづくっている基本的な物質をAとする。

しかしその彼女が抱えたAという物質には、ミトコンドリアによってこっそりと細胞レベルの設計図が組み込まれていたのである。

その設計図は、ある条件が加えられることによって少しずつ変化し、人間という生物そのものを“こっそりと”変質させてゆく。本人はもちろんのこと、周囲のごく親しい人間にもその微妙な変質を察知できないほどだ。

こうしてAという大人しい女性は、もともとA1という生物であったのが、思春期の間にいつの間にかA2になっていたのである。Aという外見はまるで変わりないのに。

 

さらに女性Aを変える要因は、中から外から細胞を刺激し続ける。

ミトコンドリアの策略による内的要因に加えて、さまざまな外的要因が存在する。これは化学物質のように、顕微鏡レベルだったら目で見えるといった具体的なものだけではない。

例えば両親が離婚してお父さんが家を出てしまっただとか、○△くんにチョコレートを渡したいと用意までしていたのに、クラスメイトのBさんという女の子に先を越されて渡せなかったとか、話には聞いていたものの、実際自分が初潮を迎えたことに大きな衝撃を受けたとか、女子校に入ってもカレシのできる娘(コ)はできるのに、自分にはできないといった青春特有の悩みとか、個人個人によってまるで異なる環境もまた、Aさんの心身に大きな影響をおよぼすのである。

f:id:blueseashell:20200302143637p:plain

もしヒステリーが爆発したら、それはオトコの人生が破綻するとき。

こうして彼女が大学で恋人に出会い、結婚にいたるまで、彼女の内部はA2だったりA3だったり、ある女性の場合にはショックが大きすぎてCというまったく違った人間に生まれ変わっているなんてことが起きてくるのである。

 

オンナが別の生物に変わる最も大きな要因は、妊娠と出産とであろう。

この段階で「ガチン」と音を立てて、オンナという生物の内部のスイッチが入る。これは女性であれば誰でもが持っているはずの内的要因で、オトコが

「オンナって妊娠すると急に強くなるよな」

とか、

「子供産んだら、もう旦那なんてただの働き蜂だぜ。いったい何のために働いてるのか、女房のヒステリーを見たくないから、ハイ、ハイと従ってしまうんだよね」

などと談義をしていることの内容なのだが、実は

「A1という生物が、A3とかA4といった生物に変化したのであるから、しごく当然の結果である」

というところまでは気がつかないのである。

そして「なんでオンナは……」というオトコが幾世代にもわたって抱き続ける永遠の疑問の本質がここにあるのだ。

つまり、オトコは、あくまで目の前にいるオンナはA1のままであると信じているから疑問がわくのであって、実はA4というまったく別の生物に変化していたとしたら、性格が変わっても当然という風に考えれば、すべての疑問に解決がつくのである。

そう。

我々男子は、自分の女房がいつまでたってもA1という同じ人物であると信じて疑わないが、ミトコンドリアの策略と、内的外的にさまざまな要因に刺激されて、実は千変万化、A4、A5という生物に成り変わってしまっているのである。

「オンナは性格が変わる」のではない。

「オンナはまったく違う生物へと変身する」のである。

どこかで見たことがあるような映画のシナリオみたいではないか。

地球を侵略しに来た宇宙人は、人類の女性に寄生し(そういえばオトコに寄生する映画って見たことがないな……それだと最初から戦争が待っているだけである)、外敵に対して戦うことを本能とした人類のオトコはいつの間にか支配されていた! なんていうストーリーの映画そっくりだ。

 

結婚しようとする男は、ここに最大の注意を払わねばならないし、まだ長い残りの人生を、未知の生物によって支配されながら寿命を終えるという覚悟が必要なのである。

 

もし貴方に、生涯にわたって続けたい趣味とかコレクションがあったり、生活パターンがあったり、それらを親にも崩されたくないと思っているのならば、場合によってはすべてのコレクションを捨てられたり、いつか田舎で農業をして暮らしたいという夢が、別居という現実を突きつけられて崩れたり、老後は釣り三昧で暮らしたいと思っていていたのに、結局死ぬまでお抱えの運転手役をやらされてオシマイといった結果になることを、

「そういう人生もあるさ」

とあきらめなければならない、あきらめざるをえないということについて、よくよく想像の力を働かせ、シミュレーションしておかなければならないのだ。

 

そうでなければ貴方にとって、結婚とは、死ぬまで生活費と教育費を稼がされた挙げ句、生きた証として最後にいただく退職金まで奪い取られ(半々というのはあくまで運が良ければの話であり、子供たちが海外留学したいなどと言い出せば、それで40年近く働いた努力のすべてが一瞬のうちに吹き飛んでしまう)、骨と皮ばかりになって入院し、死んでいくということを意味するのだ。

 

ゆめゆめ結婚などすることなかれ。

ただし素敵な恋人といくつもの素敵な恋をすれば良い。

ひと夏をハワイで過ごしたり、ヨーロッパ中を旅してまわったり、世界各地で美食に舌鼓を打ったり、いくつになっても手を握ってデートをし、ワイン片手に愛をささやいたり……

彼女の内的生物が目を覚まさないよう万全の注意を払いながら。

 

――自分の女房が実は宇宙人であったとわかった時にはもう遅い。あなたの内部はすでにきれいに食い尽くされ、かろうじて意識だけが風にたなびいているだけに過ぎないのだから――

           〈おやけたかひろ『我が輩の格言』より😅〉