✨どしゃ降りだっていいじゃないか。最後に晴れれば✨

小説家・小宅高洋(新ペンネーム)のひとりライフ。

《結婚なんかしちゃあなんねえ!》⑥

オンナにおける「カスケード現象」は、何を意味するのだろうか?

このシリーズの第5回で触れたけれども、ではオンナという生物(せいぶつ)を、「カスケード現象」に当てはめて説明するとどうなるだろうか。

 

かなり以前、僕は皮膚科の専門医の先生のゴーストライターを務めたことがある。

その先生は花粉症の説明をするときに、

いろいろな物質が重なって花粉症が発症する

というメカニズムについて話をしてくれたのだが、「カスケード現象(効果)」という言葉に接したのはその時が初めてだった。

先生によれば、花粉症というのは

「まあ、簡単に言うとだね」と笑いながら僕を見つつ、こう語った。

「ある人間の体には、若い時にはAという物質が主に流れているとしよう。人間の性格や行動はそれによって支配されているのだが、年齢的な理由、あるいはストレスなどの外的理由、さらに僕が多くの病気の元凶だと思っているんだが」

と断った上で、

「日本全体が一時汚染物質まみれになった時代、そうした環境下で育った子供たちの体質がその汚染物質によって変質し、その後子供を儲けた時に子供たちにも受け継がれることになった。その最たるものがコンビニ弁当じゃないだろうか。これによって花粉症が爆発的に増える原因になったのでは、と僕は疑っている」

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山口大学ベンチャー企業 プロマック(株)作成

「するとAという物質によって支配されていた若者の子供は、一見するとAそっくりなのだが、実はA1という別の生物になっている可能性があるわけだ。こうした外的な因子は当然のことながらひとつやふたつなんてものじゃない。

自分が母親の胎内にいるときから、数千、数万、いや数百万、数千万もの化学物質の摂取はもちろんのこと、場合によってはストレスなどの精神的影響まで含めて影響を受け続ける。そうなれば、自分の子供でありながら、中身はまったく違う生物になっていても少しもおかしくはない。

そうした複合を続けた結果、現代人、とりわけ環境汚染物質に濃密に接してきた日本人に花粉症が激増したことにも納得がいく」

先生はそう言って笑った。

僕がその時考えたのは、

(花粉症に限らず、人間を化学物質の集合体として考えた場合に、同じようなことが言えるのではないか)

ということ。

「オンナは結婚すると変わるね」

「いや、本当に変わるのは妊娠したときさ」

「それは過渡期に過ぎない。出産するとオンナは完全に別の生き物になる。もはや母親であって、オトコの妻ではなくなるんだ」

「オンナは彼女であり、妻であり、そして母親でもあるなんてウソだね。“母親”こそがオンナの完成形だよ。“彼女”であり、“妻”だなんてとんでもない。ただの母親の付け足しに過ぎない」

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作図=全国健康保険協会

こうした男同士の談義に決定打を放つのが、実は「カスケード現象」なのではないかと、僕は気がついたのである。