✨どしゃ降りだっていいじゃないか。最後に晴れれば✨

小説家・小宅高洋(新ペンネーム)のひとりライフ。

《結婚なんかしちゃあなんねえ!》④

女はひとつの生物ではない。複数の生物の集合体。

既述したように、男が驚くのは

「あんなにはにかみ屋の彼女がなぜ」

「昔だったらこんなキレ方しなかったのに」

という女の変身ぶり。

実は僕の体験談もあるのだが、“女”という生物は、男のようにひとつの生物ではなく、複数の生物が集合し、しかもそれぞれが進化・変化するものなのだと考えれば、女の変身ぶりというのが

(ああ、そうか。なるほど)

と納得できるようになる。

 

それは例えば、好気性細胞と嫌気性細胞との話で一部の類推が成り立つ。

もともと人間の細胞というのは、酸素を利用する能力が無い単細胞生物(嫌気性)として存在しており、酸素のない環境で分裂による単純な増殖をおこなっていた。

ところが植物と呼ばれることになる別の単細胞生物葉緑素から酸素を生み出すようになると、これは嫌気性細胞にとって不利な状況となっていった。

しかし好気性のと単細胞にも大きな欠点があり、それは活動すればするほど周囲の環境から酸素を奪ってしまうので、自分で自分の生存する環境を劣化させてしまうことになる。

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男は女を支配したと思っているが、実は 内部から食われている……


そこで好気性生物は嫌気性生物に寄生することによって、酸素が少ない状況下でも生存できるようになり、また一方では嫌気性生物は好気性生物を寄生させることで酸素への耐性を獲得するようになる。

嫌気性生物と好気性生物の間には、互いを必要とする関係性がなりたち、生存競争に有利に働く性質を勝ち取ったのだ。

これが人間の細胞に見られる起源を別とするDNAの存在であった。

すなわち多細胞生物の細胞の核は嫌気性細胞でありながら、ミトコンドリアの先祖は好気性であるという、矛盾した細胞の融合によって、人間という複雑な生物を生み出す要因となったのである。

瞬間的なエネルギーは嫌気系の細胞が担当し、有酸素の持続的なエネルギーは好気系(ミトコンドリア系)が担当することによって、複雑な多細胞化を実現し、人類があらゆるライバルに打ち勝つこととなったのである。

 

性の二分化という大問題。 

 

しかし酸素を利用するようになって、さらなる問題も生まれた。

即ち細胞自体が酸化してしまうという根本問題である。そこで細胞はオスとメスという性の二分化によって、種の永続を図ったのだ。

 

性に関与する特別な染色体(性染色体)に関する研究が進み、少なくとも哺乳類においては、Y染色体上の特定の遺伝子部によって精巣が分化され、オス化が決定されると考えられるようになってきた。

つまり、性の遺伝的設計は、本来がメス型になっていて、オス型はSRYと呼ばれる遺伝子部によって新たに作られることが分かってきた。

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もともと「メスの方が強い」と言われるのは、長年オトコに伝えられてきた経験談だけからではない。

科学が発達し、こうしたメカニズムを発見する以前から、すでに知られていた事実なのである。

男性と女性が結婚して長い年月を経たならば、当初の男性優位から徐徐に女性優位に立場が逆転していくのは、理屈としてきちんと合っているのである。

 

すなわち瞬間的にエネルギーを爆発させることができる嫌気性生物としてのオトコに屈するように見えながら、実は非常に長い間持続する力を持ったオンナが、オトコが次第に息切れしてゆくのとほぼ同時期に、オトコを支配してゆくのである。

 

結婚などしたもんなら、どんなに大人しそうに見えた女性でも、次第にその巨大な(失礼)尻の下に敷かれてしまっているのがオトコという生物の宿命なのだ。

我々男子は、ミトコンドリアなどという本来異質の生物を取り入れる結果繁栄した一方で、やがて起こってきた性の分化により、実はミトコンドリアによって支配されてしまうのである。