小説は難しい。
儲からなくてもいい、自分の記念になれば、Kindleで友達に見せたい、なんていう目的のためだったら、電子出版はとてもいい記念になるだろう。
ただし、 自分のブログから欲しい人に向けて「ePub」形式で直接送るのであれば無料だけれども、Amazonや楽天でも売りたいからISDNコードを手に入れなければならない、あるいはISDNコードの取得からAmazonなどへの売り込みなど営業もすべて代理の会社に任せたいなど、たとえ1冊100円であろうと、売り物とするならそれなりの経費がかかってくる。
(この点、自分の先輩で会社を辞め、自分の\出版社を創立した人にいろいろと聞いたのだが、電子出版自体がまだ混沌とした競争状態にあるから、10年も前の知識では、とてもここでは説明ができないほど知識が貧富化してしまった)
いずれはてなブログから独立し、Wordpressで新しくブログ以上のものを立ち上げ、自分の過去の小説で絶版となってしまったものや、版権の延長がなされず塩漬けになってしまっているものを復刻・販売したり、そしてこれから新たに書く作品や、ブログにおける連載小説などを始めてみてから、コードの説明であるとか、どこからどこまでを自分でやるか、あるいは代理店まかせにするかによって段階別に話ができるようになってから詳しくご説明したいと考えている。
しばしお待ちを。
さて、たとえどんなジャンルの本であろうが自分のブログに置いておく分には関係ないのだが、たとえ少額であろうと、商品としてお小遣い稼ぎをしたいとなれば、たとえ大手出版社が相手にしない分野であっても、同じようにまったく売れないジャンルというものは存在する。
コアなファンがいる理系の本や英語の本は、たとえ大手出版社が無視しようが、社長ひとりでなにからなにまでまかなう小出版社であるならば、そこそこ食っていけるかも知れないが、こと小説となると、大手だろうが何だろうが、共通して儲からない、1冊も売れないジャンルの代表格であると考えておいた方が精神的にはラクだと思う。
たとえ現在売れっ子の作家であろうとも、それなりに苦労を重ねることによって(それなりにというのは、最初からどこかの文学賞をとってしまえるほど才能のある人たちがさらに切磋琢磨するというぐらいレベルが高い)なんとかメシを食ってきたわけで、その努力たるや並大抵のものではない。
そんな作家たちの書いた小説が売れる人は何百万部と売れるけれども極めて少数、普通は数万部、あるいは1万部行けばいい方という人たちの方が圧倒的に多い。
そうしたプロの書き手に混じって作品を出すのだから、これは大海に身を投じるに等しい。いくら自由に書けるといっても、読み手だって忙しいのだ。
一度でも、
(こいつクソだ)
と思われたら二度と読んでもらえないし、たとえいい作品を書く作家でも、数ヶ月書かなければ作家名を忘れられてしまうほど競争は激しい。
ただ、小説の中でも比較的夢が大きいのは、ライト・ノベルスだろう。
ただし勘違いしてもらっては困るのだが、いくら自由に書いてもかまわない、最後にオチがなくてもまったくかまわないなんて世界にも、優越の差は厳然として存在する。
(こんなライト・ノベルだったら、俺の方がうまい)
と1作も書いていないのに最初からバカにしてしまう人間が多いのもこの分野なのである。
確かに書けそうなのだ。一見。
ただし、そこにはライト・ノベルス作家たちがそれぞれに編み出した「売れる手法」あるいは原則というものがあって、たとえば僕と同じ肝硬変という病気にかかってしまって、超売れっ子だったにもかかわらず若い命を散らしてしまった松智洋さんという人がいて、この人には「十箇条」なるものがあり、後継作家やした親しい人間にしか見せなかったようだが、僕はある人の好意でそれを見せてもらったことがあり、さらに文章化していない口伝の秘訣というものも説明してもらったことがある。もうずいぶんと前のことになるけれども。
たとえば構成ひとつとっても、ある程度は黄金律のようなものがあって、その順番通りに書いていけば、後は主人公などのキャラを取り替え、話のバックボーンを変えただけでも読者が食いついてきてくれるというものを編み出したのだが、彼が独自でその域に達するまでには想像を絶する努力があっただろうと考えて間違いない。
松さんのように、その一部を後輩作家たちに披露したのは、彼が心底優しい人間であり、同じ道を歩いている若い人たちになんらかのヒントになればと思ったからである。
たいていの場合は、そんなことはしない、自分だけの秘伝として絶対に他人に口外することはないだろう。
そうしたプロの作家たちに混じったとして、
(俺の方がうまく書ける)
と言い続けられるかどうか。やってみて始めてわかることである。
ただ、夢を描ける分野であると言ったのは、ライト・ノベルスが書ける或いは書けそうな作家を発掘しようと
「ネットに上がってくる作品に目を通している編集者は多い」
ということからである。
つまり、ライト・ノベルスの賞をもらうのとは別ルートが存在するということなのである。なんの保証もないけれど。