■10/13(日) 断酒1076日目 ①結局この1年は、闘病の1年だった。
■昨夜は3時半まで、膝を中心に足全体がつらくて苦しむ。
うめく一歩手前まで戻ってきてしまった感じ。
就寝4時。
起床8時。
なぜか腫れがかなり引いていて驚いたのだが、膝の疼痛変わらず。朝から苦しむ。
明日連休なので(まったくよけいな一日だ……)、麻酔ブロックをやりに行くまで「リリカ」の残りが心もとなく、疼痛にもかからず1錠だけ服用。
洗濯をして、洗い物をして、朝食を摂って、処方薬を飲んで少し休憩していたら、急速に眠気。
せっかく片づけた布団をまた敷き直して睡眠。
12時過ぎに目が覚めたが、まったく起き上がれず。同時にまた疼痛を思い出す。
「リリカ」をまた1錠。
穏やかな秋晴れの日にもかかわらず、この体たらく。
痛みというものが、いかにQOLを低下させるか、身に染みて理解している。
2時前までごろごろして起床。コーヒーを淹れたところ(インスタントだけど)。
■2時半に家を出て、すぐそばの海浜公園へ。
階段を下りる膝が痛む。
歩いても、スピードが出せない。
歩いて園内に入り、しばらくしてから万歩計をみると、もう1000歩。
え。こんなに近いのに?
と少々驚く。
連休ともあって、たいそうな混みようで、いたるところ子供たちの歓声が響く。
あの、子供たちの歓声というのは、なんだか不思議な気がして仕方がしていて、いつどこでどんな場面で耳にしても、もしかすると同じ子供たちが声を上げているんじゃないかというおかしな感覚におちいることがある。
子供たちの声というのは似通っているから、どこで聞いたって同じに聞こえるのだが、なぜか特定の集団というものがあって、それが年もとらずに“ふつうの”子供たちの間に交じって、歓声を上げているのではないかという錯覚なのだ。
子供たちが大勢集まるところに寄ってきて大はしゃぎをして遊ぶのだが、夕方近くになって親が子供を叱りつつ帰る用意を始めると、その子供たちもまた、いつの間にかどこかに消えてしまう――
園内をほぼ一周し、海側の脇道に出て,お気に入りのベンチ、さすがにこの人混みじゃ誰かに占領されているだろうなと思いきや、2つとも空いていた。
どうやら家族連れのほとんどが、芝生にシートを広げてそこを自陣としているようだった。
それはそうだろう。この季節外れの暖かい一日に、芝生が恋しくなるのは当たり前のことだ。
それを見下ろすように、少し高台にあるベンチから、人々を睥睨する。
先ほど淹れたコーヒーを飲みながら、文庫を紐解く。
3篇読み進んだが、いや、このジョン・コリアという作家、僕にはちっとも合わない。正直面白くない。あと数篇読んでダメなら、この作家とのお付き合いは永遠にやめようと思った。
思いながら、ココナッツサブレを2枚ほど。
しかし10月半ばにして、野外を半袖で過ごせるとは。
高台から小さな展望台の方に上がって行き、海へ。
江ノ島は静かに横たわり、逆方向の海は太陽に輝いている。
しばらく海沿いを散歩。
砂浜にも人出が多く、のんびりとした秋の海を堪能して遊歩道を歩く。
ここまで3500歩ぐらい。
もう少し先の広いテラスのようになっている場所まで行って、我が家に戻ろうと思ったが、帰りの歩数を考えると、ここで引き返した方がよさそう。
少し戻って歩道橋を渡り、国道を越える。
海浜公園の西駐車場からは、帰りの家族連れの車が次々と出庫してくる。
その駐車場出口を過ぎると、急速に人陰がまばらとなり、そこはもう歓声の届かぬ静けさに支配されている。
自室への階段の上りもきつかった。
今日は終日膝の痛みに悩まされたが、これまた麻酔注射で治ってしまうのが不思議。この膝の具合は神経痛ではなく確実に関節痛であるだろうに。
帰宅。この日ドアツードアで5237歩。
すぐさま横になってテレビを観ているうちに爆睡。
起床5時半。
洗濯物を取り入れ、これから夕食。
■多くの僕の知人友人が共通して言っていたこと。
「結婚すると、どうして女ってあんなに変わっちゃうんだろう」
というため息をつきながらの疑問。
まだ結婚する前の、かなり若い時にはまるで信憑性がなかったけれども、この年になってみるとそれは当たり前のこと。
女は変わるのである。
すると必ず女性側から反論がある。
「男だって変わるじゃない」
いや、本質的にまったく違う。
男も確かに変わるが、それは生活態度がだらしなくなるとか、妻を女として見なくなり意図せずして家政婦あつかいするようになるとか、あるいは自分は会社帰りに飲みに行くくせに(多分に女のいる店に行くんだろという疑いを持っているらしい)妻のことは食事に誘わないとか、それこそ枚挙にいとまがないけれども、つまりひと言で言ってしまえば、
「結婚前にカッコをつけて背伸びしていた、ムリしていたことの、化けの皮がはがれた」
ということに過ぎないのである。
ところがここが大きな違いなのだが、女の場合は、
「化けの皮がはがれるのではなく、化けて別の生き物となる」
のである。
当人は意識していないし、姿形も変わっていないから、なかなか気がつかないのであるが、実はその皮膚の下には別の生き物が棲んでいるのだ。
そしてこの生き物を鎮めるためには、ひたすら頭を下げ、従順にならなければならない。エイリアンのように強い生物であるから、どんなに大げんかして抗おうが、
最後は必ず負ける。
そして、たいていの場合男の方が先に逝くわけだけれども、病院のベッドで年老いた妻に似た生物は、もはや動けなくなった旦那の体をタオルで清めたり、汗を拭いたり、甲斐甲斐しく世話をしながら、男の顔を上からのぞき込んでこうつぶやくのだ。
「ほら、あたしの言ったとおりになったでしょ」
と。
勝ち誇ったように、にやりと笑いながら。
■夕方、急に体がラクになり、膝は痛いものの、体をぎゅうっと締めつけていたようなイヤな痛みから解放され、とたんに動きが軽くなる。
そのまま夕食を終え、クスリを飲みなどしてゆったりしていると、また突然、痛みが元に戻る。
あ~あ……早くも夜の発作が始まった。
8時過ぎからすでにけっこう重症の状態。昨日は右だったのに、今日は左足。
急いで「リリカ」2錠服用したところ。
これはまた明け方かな……寝られるのは。
明日が祝日じゃなければ麻酔注射を打ちに行けるのに……くそぉ。
今日明日のガマン。
気が遠くなる。
■いやまいった、左足。
ピクピク痙攣するわ(主治医はカルニチン欠乏症が原因であるとの一本槍なのだが……)、痛い膝関節はもちろん痛いけれども、股関節のそけい部に近いところから太腿前面と裏、膝の裏ふくらはぎ足の甲のくるぶしに近いところがすべて疼痛だし、トイレに立ち上がるのも大変。
ピークは過ぎつつあるような気がするのだが、いったん麻酔注射によって苦しみから解放されてみると、この5カ月間苦しんだ痛みが記憶とともに戻ってきてしまって、それがかえってツライ。
しかし何はともあれ、今日はリハビリ初日。
当分は4~5000歩を無理なく歩こうと思う。それだけでも、落ちてしまった筋肉を取り戻すにはとりあえず十分だろう。
ふり返ってみると、結局この1年というか、去年の秋ぐらいからのひどい疲労感も加えれば1年半近い闘病生活となるんだなあと……
万感の思い。