✨どしゃ降りだっていいじゃないか。最後に晴れれば✨

小説家・小宅高洋(新ペンネーム)のひとりライフ。

■9/6(木) ②日常と非日常とのはざまで考えること。

■千葉に住む娘からめずらしく自主的にメールが(il`・ω・´;)。

息子から振り込まれたのは10万円ちょうどで、3科目に足りない……と、今ごろにもなってメールしてきたのが4日ほど前のことだった。

で、なんとかなるよといろいろ方策を伝授(?)して、乏しい保護費から、この前娘に借りた5000円と(-ω-;)、夏休みにこっちに泊まりに来るときに持ってきてもらったお金のうち1万円を返したら(とはいっても、これはまだ生活保護を受ける前に、現金をかき集めて娘の口座に振り込んでやったお金の一部なんだけど……)、それで取りたかったサテラインの現代文とやらが取れるようになったという喜びのメールだった。

 

なんでもサテライン授業というのは、東京の本校の生の授業を録画したものを、こちらの分校の学習室で自由な時間に観ることができるというもので、東京にずらりとそろっている名物先生の授業を、全国どこにいても受けられるという触れ込みの授業らしい。

そんな便利なシステムなんて、自分たちのころには無かったよなあ。

ということは、地方の受験生は、春とか夏とかにざわざ上京して、名物先生の授業に出席するほか手立てはなかったのである。

しかしそれでも、静岡県の清水高校とか(清水東?? 忘れた)、地方にも強豪高校がそろっていて、必ずしもそんなお金をかけてまで東京に行く必要もなかったんだけど、地方と東京や大阪など大都市との受験力格差っていうのは広がっているんだろうか。

 

娘にしてみると、どうやら夏に持ってきたお金の残り(5万円弱あるはず)は使わずに温存しておきたかったらしく(そうじゃないと、受験料が出なくなるという恐怖心があるらしい)、わずか1万5000円だがお金が戻ってきたおかげで、息子からのお金に加えれば3科目取れるということが嬉しかったらしい。

 

そのうえパン屋でのバイトも週に3日続いているし、僕の印税は受験料の時期には間に合いそうにないけれども、春の入学金の不足部分を出すことはできそうなので、その入学金を一時立て替えして、2カ月(?)遅れで入って来る奨学金から返してゆくという条件付で、元妻の弟からお金を借りる約束ができていたから、それを早回ししてもらう形ならば、受験料はなんなくクリアできるはずだ。

 

できるはずだけれども、息子に続いて娘にも、お金の苦労をかけるなあ……

友人への借金もあることだし、とにかく書いて書いて書きまくるしかないのだ。

だから痛いの飛んでってくれよぉ……

 

■あわてて貼ったロキソニンテープ。膝の痛みは昨日よりはるかにマシだったから、多少痛くなってもすぐに回復した。

恐るべしロキソニンテープ。

絶対肝臓に悪いな……

足首はさほど大したことはないので放っておいたら、膝の痛みがすっかり消えると同時に前兆らしきものは雲散霧消してしまった。

恐るべしロキソニンテープ。

でもこれが効いたってことは、やはり野村先生の言う通り、関節炎なのだろうか。

しかし両足首、両膝と、対称性を持って痛くなるものだろうか。4ヵ所仲良く同時に炒めたということはあるまい……

それとも湘南中央病院の先生が言うとおり、足首は

「なんか痛風っぽいなあ」

で、膝は関節炎だという意見が正しいのかも。

シロウトにはよくわからない。

まあ、痛くなきゃいいのだが。

 

■今日は全体的に食事時間が遅くなっているから、7時半頃ようやくぽつぽつと食べ始めた。『アイアンマン2』を観ながら。

調子が悪いときには、なーんにも考えなくて良いアクション物がラク。

しかしミッキー・ローク、迫力出たし、すごい肉体だなあ。『レスラー』に出演する以前から、役者復活を目指して、役柄を変えるために肉体改造をしたに違いない。

と思って、黒ごま豆腐を食べ始めたら、

ん? 甘い……

あれ? と思って、包装ビニールを見たら……

んがあ。黒ごま豆腐を買ったつもりが、「黒豆豆腐」だった……しかも和風デザートとか書いてある。

砂糖入ってるじゃん……

でも美味しい(-◇ー;)。

スカーレット・ヨハンセンも、相変わらず美味しいぢゃなかった美しい。

 

食べ終わる頃、昨日買った赤魚の粕漬けを。

自動で焼いたから、ぶ厚い切り身には焼き時間が足りなかったらしく、手動でもう3分設定して焼き直す。

美味。

こういうところが、一般のスーパーよりも、魚なら魚の専門店が上ってことなんだよなあ。

もちろん、スーパーにだって美味しい粕漬けはあるけれど、それ以上にまずい粕漬けの方が多い。

まずもって水っぽいし、ヘタすると魚臭いし(たぶん解凍ミスじゃないかと)、しょっぱいし、粕自体の味がいまひとつ。

やはりあの販売員のおばさんの言うこと聞いて、4枚セットを買って良かった。

残り3枚は、サランラップで1枚1枚まいて冷凍してある。

痛みがないと、そういうことが、意識しないでできるんだよなあ……

ごちそうさまでした。

 

しかしスカーレット・ヨハンセン、アメリカ映画会の壇密ですな。

壇密は残念ながら才能があそこまでということで、そろそろ消えちゃうだろうけど……(-◇ー;)

 

■ハイリスクハイリターンの職業の中で、間違いなくトップクラスに名を連ねるのが、小説家を含む作家という稼業。

当たれば億万長者、当たらなければ極貧の生活。

ところが当たる人間はほんの一握り。しかもその時の担当者の出来不出来や相性、時の運など、その作品の優劣とは別の要素が大きく絡んでくるから、まったく予測不可能という怖さもはらんでいる。

 

ところが先ほど先輩の女流作家の方とのメールのやり取りで驚いたのは、

「極貧どころじゃありません。これまでわたしのまわりで自殺した顔見知りの作家さんは10人を下りませんから」

 

絶句するしかないが、この人付き合いがあまり好きじゃない僕にも、かつて千葉に住んでいた頃よく会ってファミレスでランチをし、お代わり自由のコーヒーをがぶがぶ飲みながらいろんな話に花を咲かせていた友人作家がひとり、突然首をくくって死んでしまったという経験がある。

もともとウツの状態が激しかったのだが、最近はだいぶ良くなってきたんですよと親族の人から聞いてはいたのだが、その親族の、ほぼ同年代の従兄弟が泊まりがけで遊びに来て、そろそろ帰らなければとお暇をした翌日、発作的にドアのノブにロープをかけて自死してしまったのだそうだ。

その従兄弟、目を真っ赤にしながら、

「まだいいだろ。もう少し泊って行けよと言われたときに、かなり元気だったもので、大丈夫だろうと家に帰ったんですけど、もしあのときまだ泊っていれば、あるいは帰るにしても、すぐにまた遊びに来るとかなんとか、将来につながる言葉をかけていればとか、思うこと頻りです」

とお通夜の席でそっと僕に打ち明けてくれたのを覚えている。

(反対側の机では、編集者だのエージェントだのが、死んだ彼を肴に酒を飲み、よもやま話に突入して居酒屋のようにざわついていた)

 

先輩の場合は、ある文芸組織の理事や理事長までやったことのある人だったから、当然そうした確率は高くなるからしかたがないとは思うのだが……

しかしそれでも、同じハイリスクハイリターンの世界に身を投じた作家仲間意識というのは、世間の想像以上に大きなものがある。

これは、近しい編集者ともエージェントとも、中学高校大学時代の友人とも共有しあえない、言葉で説明するのは不可能なほど、複雑で、孤独で、混沌とした世界の話なのだ。

その住人同士でなければ、まったく価値観を共有できないし、どんなに言葉を尽くして説明しても通じないものであるということを、みんな痛いほど経験しているのだ。

 

先日冗談で名前を出した開高健氏が、その饒舌さでもって周囲を圧倒し、編集者を睥睨するように立っていたのも、あるいは藤沢周平氏のように、再婚した妻とのデートでもしゃべることができず、ましてや面識のない人間の前に出るとすぐさま逃げ出したくなり、ひたすら書斎にこもって原稿を書き続けたのも、実は同じ根っこを持った話であると思う。

 

作家(とりわけ小説家)は、相手を威嚇するか、教祖さまのように振る舞うか、自分の殻に閉じこもるなどしか、生きる術はないのだ。

中間は、ない。

うまく世渡りできるような作家は、決して一流にはなれないし、そこにこそ僕の欠点があるのではないかという気がしないでもないのだが……

(人嫌いで付き合いが苦手だと認識している僕でさえ驚くほど、人嫌いな作家は多いし、ウツ病なんて当たり前だし、酔って大暴れする人間なんて珍しくもないし、理由もないのに同業者におかしな嫉妬をして喧嘩をふっかけたり、自殺したり……)

 

だからこうして今僕が独りなのも、実は自分で望んでいたことであるかも知れないし、どんなに相手にアプローチしても(男女の別なく)相手に考え方がまったく通じないことから、独りの方がラクだと考えたからなのかも知れない。

 

さて、もう11時だ。

今日は半ページしか進まなかったが、なんだかこの痛み、湿布のせいもあるだろうけど、少しずつ落ち着いてきているような気がするので、そこからが勝負時であると、今は充電と、資料読みと、別ジャンルあるいは今のジャンルで思いついた構想を掘り下げる時期でいいかなと、そう思うようにしている。