✨どしゃ降りだっていいじゃないか。最後に晴れれば✨

小説家・小宅高洋(新ペンネーム)のひとりライフ。

■8/21(水) ②秋田書店、これで信用も失墜して危ないかも。

■少し仕事をしようと思ったが、昨日今日は完全休養日にしよう。

なんだか夕食にキノコ鍋を作って食べたら、がっくりと弛緩してしまった感じ。

 

心配してくれている先輩女流作家の方、夏風邪を召されたそうで、しかしそれでもスポーツ紙の連載、文庫本の〆切りとあって、時々横になって休む以外、とりわけ夜は書き続けだそうだ。

やはりこの仕事は決して頭脳労働ではなく、肉体労働の一種に過ぎないのだなとあらためて感じる。

 

■それにしても秋田書店はひどい。

読者を、しかも女の子、若い女性が、

(当たるといいな)

と一生懸命に書いたアンケート兼応募ハガキに、プレゼント水増しという不正を働いていたのだから。

しかも先ほど、ネットのニュースで、不正をやめるよう訴えていた女性社員を、

「プレゼントを盜んだ」

との理由で解雇していたことが発覚。

これはもう完全に担当者の一存などではなく、完全な組織犯罪ではないか。

 

僕も17年間出版社に勤務して飯を食ってきた人間として、はらわたが煮えくりかえる思いだ。

 

その昔、講談社の少年マガジンだったか忘れてしまったが、マンガではなく読み物記事に間違いがあることに気づいて、小学生ながらハガキを書いたことがある。

すると間もなく編集者からとても丁寧な封書をいただいて、貴重な指摘をいただいてありがとうございましたと、お詫びとお礼の言葉が書いてあった。

そして、これも忘れてしまったが、当時人気だったマンガのシールだったと思うが、何枚も同封してあったのがとても嬉しかった。

 

自分の父親も文藝春秋の編集者だったこともあって、編集の人って良い人なんだと、子供心に思ったようだ。

それが後日、自分の将来を決めたような気がしてならない。

 

逆を返せば、まだ若くてそんな不正がおこなわれているなど想像もしない読者(しかも相手が出版社であれば、読者は盲目的に、そんな悪いことをしているとは思ってもいないだろう)を裏切る行為をすれば、どんなに傷ついた子がいるだろうかと、心が痛む。

 

とはいえ、僕の会社でも、僕が新入社員時代、確かレイバンのサングラスだったと思うが、読者プレゼントとしてメーカーから提供されたものを、半分ほどそのフロアの編集者に配っていた先輩がいた。

僕はそういう不正は小さい頃から大嫌いだったので、僕はいいですと断ったのだが、いまお世話になっている1年上の先輩から、

「いいから、今はもらっておけ。イヤなら引き出しに入れたまま使わなければいいんだから」

と言われて、しかたなくもらったことがあるが、翌日その先輩の机に黙って置いておいた。

そのことについては何も言われなかったが、それ以来僕は、

「堅物」「融通の利かないやつ」

という評価を受けるようになった。

(だから、会社に残っていても、絶対に出世できなかったはず(-◇ー;)。

 

そのような行為は、当時のまだ編集者がヤクザ的体質を持っていた時代の終焉とともに無くなって行き、不正などはまったく行われなくなっていった(はず)だ。

少なくとも、僕が観た範囲では、きちんとプレゼントは送られていた。

(この辺りはとても難しくて、たとえばその出版社のある雑誌に自分のスポンサーの広告を優先的に載せてもらいたいと考える広告代理店だのからの接待というのはあるわけで、とりわけ広告部あたりなどは、毎週日曜日はその広告代理店によって主催されたスポンサーとのコンペで、真っ黒に日焼けしていたのが普通だったし、そうした悪習慣を止めることは、たぶん出来なかったと思う。まあ、僕だったら広告部に異動になったならば、毎週のコンペに、毎週腹が痛いだの風邪を引いただの言って徹底的なボイコットをして、「堅物を誘ってもシラケるだけだ」という評判を作り上げ、二度と誘われないようにしたと思う。

だけれども、その習慣自体をやめさせるなんてことは、不可能だったと思う)

 

それはさておき、かつては『少年チャンピオン』『漫画王』などで一世を風靡した秋田書店が、ここまで組織的な悪行を働くとは、堕ちるところまだ堕ちたものだ。

 

かつては宝島書店が、プレゼントではないけれども、原稿料のことで揉めたマンガ家の西原理恵子さんやパチンコの銀玉親方こと山ちゃん(このふたりをペアにした記事を企画してやったのが僕だった)の住所などを雑誌でさらすなどの恫喝行為をした事件など、落ち目の出版社には時々そうしたことが起こるようだ。

(宝島はその後社長や役員などの幹部が総入れ替えとなり、本当にマトモな会社になっ,たし、プレゼント付の雑誌などを少数部数でも数多く出すという、我々若手の編集者も主張していたやり方をいち早く取り入れて大成功をおさめるなど、今や大手に食い込む会社となっている)

 

そしてこれもまた出版界特有の事情なのだが、基本的に株式公開をしないから、世間のチェックを受けにくい体質で(角川書店などはだから、極めて珍しい存在)、社長やその取り巻きの取締役連中の意のままに動かされるという一面を持っている。

(その社長がオーナーであったり、その後継者である場合はなおさらだが、それでもきちんとした会社は、オーナーがきちんとした人間であることをそのまま証明していると言って良い)

 

ということは、とりもなおさず、今回の不祥事について秋田書店の上層部はすべてを把握していたはずで、しかも現代表取締役はオーナーの直系だったはずだから、役員はすべてイエスマンで固められていると思って間違いないだろう。

(オーナーの一族経営の悪い面が、すべて出てしまっているのが秋田書店だろう。たぶん、株式公開をしていないからわからないわけだが、この出版不況の中で、経営は相当悪いんじゃないかと思う。

いくら世の中が不況だとは言っても、大手出版社に対して、プレゼントを無償提供しないなんてことは、普通は無いからである。←そういう意味でも広告部のゴルフコンペなどが、一概に悪いとは言えないのだ……それが商慣習なのだから。

もしかしたら秋田書店、ある日バタッと倒産する可能性も十分にある。倒産するまでは、おかしいと気づくのは、印刷会社であったり広告代理店であったり、ごく一部のと関係者しかわからないのだ。

出版社のこうしたところは、いい面が出れば、政治の圧力を受けない自由な報道ができるという長所につながるのだが……スポンサーには弱いけどね(^_^;)

 

事実、「再発防止に取り組んで参ります」と表明したにもかかわらず、不祥事に関与した社員や経営陣への処罰に関してはノーコメント状態であるのは、処分しようにも自分に累が及ぶために、「不可能」だと考えた方が自然だろう。

 

いや、これだけ憤ったのは、東電の原発人災事故以来のことだ。