✨どしゃ降りだっていいじゃないか。最後に晴れれば✨

小説家・小宅高洋(新ペンネーム)のひとりライフ。

■2/7(木) 「円安大不況」が日本を襲う――最後に。

僕はエコノミストでもなんでもなく、ただの雑文家であるから、ではどうしたらいいのかの処方など示すことはできない。

だからして、こうしたことをブログに書くことによって、賛同を得たいなんてよこしまなもくろみを持っているわけじゃない。

 

ただ、自分よりずっと年の若い人たちが――それは僕の子どもたちも含めて――なるべくヒサンな人生を送って欲しくないという願望、ただそれだけだ。

 

処方箋はわからない。

ただいくつか言えることは、これも何度か書いたと思うけれども、

「大きな借金を抱えるな」

ということに尽きる。

とりわけ家。

グローバル経済で世界中の国や人が大競争をする時代に、30年もかけて完済できるなんて弁済契約を結んではならないと思う。

買っていいのは、キャッシュで買える人間か、あるいは双方の親から多額の援助をしてもらえる若い夫婦だけ。

現在60歳以上の年齢層は、年金にしても住宅ローンにしても、ぎりぎり逃げ切った。

けれども人生これからだという若い人に、もはや逃げ場はない。

 

かつてバブル崩壊の直後、日本人が自信を喪失したことがあったけれども、そのとき野坂昭如先生は例によって昼から一杯飲りながら、

「こんなことは当然でね。国や企業にだまされて、その気になって、持ち家なんか持とうとしたのがそもそものつまずきだ。かつて敗戦で国債が紙くず同然となったことを、もうみんな忘れてしまったのか。あるいはわざと忘れたふりをしているのか。

日本人はむかしから、とりわけ江戸時代から、金のないやつは借家住まいが当たり前だったし、みんながそうだったから、それを恥なんて思いもしなかった。

たまたま成功して金が儲かったら、表通りの借家に引越して良い暮らしをし、景気や収入が悪くなったら、また元の通り裏通りに引っ込んだ。だから、実害なんてほとんどなかった。

国民の大多数が持ち家を持つなんて、それこそただの幻想なんですよ。クレジットカードもそうだが、アメリカのやり方を真似て儲けようとした一部の人間にだまされているだけです」

とおっしゃったことを覚えている。

 

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この狭い日本、資源のない国、それでいて人口の多い国に国民として生まれて、全員が全員、持ち家を持つなんてことは、確かにどう考えたって不自然なことじゃあるまいか。

家だけじゃなくて、車もなにも、大きな買い物は、やむを得ない場合(子どもが入学するときに制服を買ってやる金がないとか、家族の誰かが入院したが治療費がたりないとか……)以外、なるべく背負わない方がいい。

僕も、それがわかっていればと、後悔することしきりだ。

しかも今後は少子化がますます進み、宅地はだぶついてくるのは必至で、土地の値段(相対的な価値)もどんどん下がってくるはず。

慌てる必要はなにもない。くれぐれも不動産屋の常套句「不動産は縁ですから」「これだけの物件、明日売れていないという保証はありませんよ」という言葉にだまされてはならない。

借金さえなければ、風呂敷かついで子どもの手を引きながら、どこへでも移り住むことができるのだ。

貯金さえあれば、たとえ海外へでも。

 

僕は、「三丁目の夕日」の舞台となった昭和の30年代こそが、貧乏だが充実して楽しかった最後の時代だったのではないかと思っている。